定年直前の者の扱いと刑事罰

 今回は、ロシア刑法(Уголовный кодекс РФ)にはあり、日本の刑法には規定されていないような条項を紹介したいと思います。まさかこのようなことも刑事罰の対象となっているのか!?と驚かれる方もいると思うので、是非、興味がある方は一読していただければと思います。

ロシア刑法の規定

 ロシア刑法(Уголовный кодекс РФ)144.1条には、「定年前の者の不当な採用拒否または不当解雇」に関して規定があります。つまり、定年前の者を、定年前であることを理由に不当に採用拒否あるいは解雇した場合には、刑事罰の対象となる可能性があるのです。
 具体的な法定刑は以下のように規定されています。
 -200,000ルーブル(約30万円)以下の罰金
 -被告人の18か月分の給与に相当する金額以下の罰金
 -360時間以下の義務的労働(Обязательная работа)
 そのうえで、この「定年前の者」は誰を指すかというと、同条に規定されている注意書きによると、後5年以下の期間で定年となる者となります。

行政罰

 なお、定年前の者を、定年前であることを理由に不当に採用拒否あるいは解雇した場合には、上記刑事罰の規定以外にも行政罰も別途、行政違反に関する法律(Кодекс Российской Федерации об административных правонарушениях (КоАП))5.27条に規定されています。
 また、刑事罰が設けられているのは、あくまで「定年前の者」であり、「定年に達した者」を定年であることを理由に不当に採用拒否あるいは解雇した場合には行政罰の対象となる可能性があるのみで、刑事罰の対象とはなっていない点には注意が必要となります。

参考

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_10699/f4869839e8fe2f91733ec2782c8f402155575a9c/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_34661/7ff50b874c8cbce814266fd45eb5fff8b30449b6/