今回は日本とロシアのちょっとした違いを紹介したいと思います。日本においては、祝日は、国民の祝日に関する法律において規定がされていますが、実は、ロシアにおいては祝日はロシア労働法(Трудовой кодекс РФ)において規定がされています。
そこで、今回は、ロシア労働法の祝日に関する条文を紹介したうえで、ロシアにおいて休日の賃金がどのように扱われているのかについて紹介をしたいと思います。
ロシア労働法上の祝日
まず、ロシア労働法112条によると、ロシアにおける祝日としては、以下のものが規定されています。
【1】1月1日~6日および8日 年始休日
【2】1月7日 キリストの聖誕祭(ロシア正教)
【3】2月23日 祖国防衛の日
【4】3月8日 国際女性デー
【5】5月1日 春と労働の祝日
【6】5月9日 戦勝記念日
【7】6月12日 ロシアの日
【8】11月4日 民族統一の日
休日割増賃金
そのうえで、休日の割増賃金ですが、ロシア労働法153条によると、労働形態による例外はありますが、原則としては、“Работа в выходной или нерабочий праздничный день оплачивается не менее чем в двойном размере”と規定されています。
つまり、原則としては、祝日や休日における労働は通常の給料の少なくとも2倍は支払われるべきことが規定されています。
なお、日本では、労働基準法37条1項および割増賃金令(「労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令」)によると、休日労働に対する割増賃金は、3割5分と規定されており、労働基準法37条4項によると、深夜業(一定の例外はあるが、基本的には午後10時から翌日午前5時までの間)の労働に対する割増賃金は2割5分以上と規定されています。そのうえで、割増賃金は重複して発生することがあり(労働基準法施行規則20条2項)、休日労働が深夜業となった場合は6割以上(3割5分+2割5分)の割増賃金が発生することになります。
参考
http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_34683/98ef2900507766e70ff29c0b9d8e2353ea80a1cf/
http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_34683/a6a0176ee414c56cbffecc3d3fe9c161603a3b35/