ロシアにおけるドラッグ規制

最近、ニュースでよく薬物に関する話題が取り上げられていますが、ロシアでも薬物に関するニュースが昨年、大々的に取り上げられました。そして、この昨年のニュースがきっかけで麻薬等に関する犯罪周辺の改正が今年、行われる予定です。

改正のきっかけ

今年の改正のきっかけとなったのは、昨年、麻薬等販売の容疑で不法に逮捕されてしまったジャーナルストの事案でした。
昨年、モスクワに滞在中のジャーナリストが足止めされ、麻薬等販売の容疑で突然、逮捕されました。ジャーナリストの持ち物の所持品検査を行うと、麻薬等が出てきたため、警察官は、この男性を逮捕したのですが、実は後になって、この男性の所持品検査で発見された麻薬等は、警察の偽装工作により仕込まれたものであることが明らかとなりました。

この事案をきっかけとして、現在の薬物の規制がそもそも適切なものであるのかということが疑問視されるようになりました。

現在の規制

現在、ロシアの刑法(УПК РФ)第228条においては、「販売目的を有しない相当量の薬物の所持および使用」は法定刑が3年~10年と定められていますが、改正により、2年~5年に減軽されます。また、「販売目的を有しない大量の薬物の所持および使用」に関しては、現在、法定刑が10年~15年と定められていますが、こちらも改正により5年~15年に減軽されます。

規制対象となる薬物の種類を拡大

また、そもそも何が麻薬等に該当するのかという物質のリストも改正により再検討されるようです。そのうえで、麻薬等に該当するとして、その麻薬等を測る際、今まで実務的には、その物質の純物としての量ではなく、混合物の量も含めて、所持が「相当量」か「大量」なのかが判断されていましたが、改正により、物質はあくまで純物の量を基準に判断すべきことがはっきりとしました。

罪刑法定主義との関係

この改正が今後の事件処理の際の基準となるのはもちろんですが、注目すべき点は、すでに有罪判決を受け、服役中の者に対しても、この新しい基準で刑期の再検討が行われることが見込まれているという点です。

参考

"Время вспомнить об остальных". Что будет со статьями о наркотиках после дела Голунова - BBC News Русская служба
После закрытия дела журналиста Ивана Голунова о попытке сбыта наркотиков, в России встал вопрос о необходимости изменения антинаркотического законодательства. О...

http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_10699/a109722731a0509e104278d1b2d2f589beee330f/