新型コロナウイルス対策としての海外渡航歴報告の是非(ロシア)

 コロナウィルスの拡大はまだ止まるところを知らず、依然として感染が拡大している状況です。そして、様々な場面で感染拡大に対して措置が講じられています。
 そのような中で、今回はロシアの使用者が採ろうとした措置に対し、ロシアの労働・社会保護省 (Роструд)が示した見解を紹介したいと思います。 

概要

 あるロシアの使用者は、コロナウィルスの拡大を予防するために、従業員に対し、私用での海外渡航歴を使用者に報告するよう命令する措置を講じようとしました。そこで、そもそもかかる命令を講じることができるのか、ロシアの労働・社会保護省に対する質問制度を用いて質問をしたところ、以下の見解が示されました。

政府の見解

 労働・社会保護省 (Роструд)によると、労働者はかかる措置を講ずることはできないという見解が示されました。
 そして、かかる措置を講ずることができない理由として、以下の2つの条文を示しました。
 まず、ロシアの個人情報保護法(Федерального закона от 27.07.06 № 152-ФЗ «О персональных данных».)3条1項によると、個人情報とは、個人を直接または間接的に特定することが可能なすべての情報と規定されています。
 そのうえで、同法6条1項1号によると、個人情報の処理は個人の同意に基づいて行われるべきことが規定されています。

ポイント

 つまり、海外渡航歴も個人情報に含まれる以上、かかる情報を収集するためには、個人たる従業員の同意が必要であり、同意なく命令で強制的に使用者が従業員の海外渡航歴をきくことはできないという見解が示されました。
 ロシアに関連する活動の一助になりましたら幸いです。

参考

https://xn--80akibcicpdbetz7e2g.xn--p1ai/questions/view/120348

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_61801/4f41fe599ce341751e4e34dc50a4b676674c1416/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_61801/315f051396c88f1e4f827ba3f2ae313d999a1873/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_85889/db3c108746140398ffd196319149f3257ac1ca1e/