ロシアの金融サービス関連の広告規制

 今回はロシアの広告規制のうち、金融サービスに関する広告を行う際の規制について紹介をしたいと思います。

広告に関する一般的な規定

 ロシアの広告に関する法律(Федеральный закон “О рекламе”)5条7項によると、「Не допускается реклама, в которой отсутствует часть существенной информации о рекламируемом товаре, об условиях его приобретения или использования, если при этом искажается смысл информации и вводятся в заблуждение потребители рекламы.」と規定されています。
 つまり、広告する商品に関する重要な情報を欠くような広告、商品の購入条件や使用条件を欠くような広告は、それにより情報の意味が歪曲化され、消費者に誤解を招くようなものである場合には、かかる広告は禁止されています。

金融サービスに特化した規定

 そのうえで、銀行、保険、その他の金融サービスに関連する広告に関しては、さらに他の条項で規制が付け加わっています。
 具体的には、同法28条1項により、そのサービスを提供する人物の名前を示さなければいけないこととなっています。
 また、同条2項2号により、サービスを利用した者の収益に影響を与えるような情報、あるいはサービスを利用した者が損失を被ることにつながるような情報に関しては、それらの情報の開示を控えるようなことは行ってはいけないことが規定されています。
 さらに、同条3項により、金融サービスに関連する広告のうち、ローンがかかわってくるような広告に関しては、かかるローンに関して一部の情報のみを開示することは認められておらず、あくまですべての情報を開示した形での広告のみが認められています。

関連する事案

 これらの条項に関連して、2013年に「MITSUBISHI MOTERS(三菱自動車)」がロシアで行っていた広告がこれらの規定に違反するものではないかとしてロシア連邦反独占局(Федеральная антимонопольная служба≪ФАС≫)が裁判所に提訴した事案(ВЫСШИЙ АРБИТРАЖНЫЙ СУД РФ ОПРЕДЕЛЕНИЕ от 6 марта 2013 г. N ВАС-1680/13)があります。
 もっとも、当該事案においては、一見十分でないような内容の記載であっても、タブをクリックすることで法律で要求されるすべての情報が盛り込まれた形の広告がなされていたとして、三菱自動車が勝訴しました。
 なお、タブをクリックして表示される文字のフォントや大きさについてもこの事案では問題となりましたが、この点も、当該事案では問題なかったと裁判所は判断しました。

参考

http://www.consultant.ru/cons/cgi/online.cgi?req=doc&ts=1722249519032009966812928936&cacheid=98F641A5955C3424691042BA24E12047&mode=splus&base=ARB&n=322112&rnd=0.3141190112196137#1izmg7xrp2t

http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_58968/f67f81c57fdcdacc2643d19d59369f7e185e1156/

http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_58968/0021818db8b93ae5fbd38076074a7182e157186c/