今回は、ロシアにおける委任に関する一般的な規定を紹介したいと思います。
ロシア民法(Гражданский кодекс РФ)185条1項には、「Доверенностью признается письменное уполномочие, выдаваемое одним лицом другому лицу или другим лицам для представительства перед третьими лицами.」と規定されています。
つまり、ある人から他の人(あるいは人々)に対して、第三者との関係で一定の行為を行わせる「委任」は、書面で行うことが求められています。
また、同条2項には、「Доверенности от имени малолетних (статья 28) и от имени недееспособных граждан (статья 29) выдают их законные представители.」と規定されています。
つまり、未成年者から委任を受ける際、あるいは成年被後見人から委任を受ける際には、法定代理人が委任状を発行することとなっています。
なお、複数の者に対して委任をする際には、同条5項の適用があり、「В случае выдачи доверенности нескольким представителям каждый из них обладает полномочиями, указанными в доверенности, если в доверенности не предусмотрено, что представители осуществляют их совместно.」と規定されています。
つまり、複数の者に対して委任を行う際には、委任状で特段の記載のない限り、受任者それぞれは委任された内容の包括的な権限を有するとされています。
そのうえで、もし委任状に委任期間の記載がなく、委任状を作成した日付のみの記載がされている場合には、委任状を作成した日付から一律1年の間、有効な委任状となり、委任状を作成した日付の記載のない委任状の場合には、無効な委任状として扱われます(同法186条1項)。
参考
http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_5142/deb1e7bbc3371002688161fcfd76eafcd9c94c99/
http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_5142/7cacfbaa97bc44e3c060da33365f256f8d7d0292/