2019年において、ロシアの道路交通違反に関連する規制が強化されました。そこで、強化された規制を規定したロシア連邦刑法(Уголовный кодекс РФ)の条文を今回と次回の2回に分けてご紹介したいと思います。
同法264条1項には「Нарушение лицом, управляющим автомобилем, трамваем либо другим механическим транспортным средством, правил дорожного движения или эксплуатации транспортных средств, повлекшее по неосторожности причинение тяжкого вреда здоровью человека」と規定されています。
つまり、自動車、路面電車その他モーターが付いた交通手段を運転する者が、道路交通違反を行うことによって、過失で人の健康に深刻な危害をもたらした場合には処罰対象となります。
具体的な法定刑は以下のような内容から選択されることとなっています。
・3年以下の自由制限(ограничение свободы)
・2年以下の強制労働(принудительные работы)かつ、3年以下、一定の役職や業務に就くことの禁止
・2年以下の強制労働(принудительные работы)
・6カ月以下の拘禁(арест)
・2年以下の有期自由剥奪(лишение свободы на определенный срок)かつ、3年以下、一定の役職や業務に就くことの禁止
・2年以下の有期自由剥奪(лишение свободы на определенный срок)
2019年の改正後もこの264条1項の法定刑には変化はありません。改正の影響を受けたのは、同条2項となります。2項には1項と同じ状況が示されていますが、飲酒等の酩酊状態によりもたらされた場合、あるいは同条項と同じ状況であるにもかかわらず、その場から運転手が立ち去った場合には、1項ではなく2項が適用されます。
改正により加重された法定刑は、具体的には以下のような内容となっています。
・5年以下の強制労働(принудительные работы)かつ、3年以下、一定の役職や業務に就くことの禁止
・3年以上7年以下の有期自由剥奪(лишение свободы на определенный срок)かつ、3年以下、一定の役職や業務に就くことの禁止
参考
http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_10699/b729b65a24b312d2cbee8543a8afdfb15ebb4046/