民法
(追認の要件)
第百二十四条 取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。
2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。
一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。
二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。
(取消権の期間の制限)
第百二十六条 取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
取消権の消滅時効は「追認をすることができる時から五年間」です(126条)。
成年被後見人について「追認をすることができる時」とは、「取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後」(124条)です。
したがって、以上を合わせて考えると、成年被後見人の行為であることを理由とする取消権の消滅時効の起算点は、①成年被後見人が行為能力者となった後、②取消権を有することを知った時となり、①②の両者を満たすことが必要になります。
また、126条後段にあるように、成年被後見人の行為の時から20年経過したときにも取消権が消滅します。