以前、ロシアにおける広告規制について規定をしている法律である、ロシア連邦の広告規制に関する法律(Федерального закона “О рекламе”)の18条が電子的方法による広告に関する規制を規定していることを紹介しました。
今回は、この電子的方法による広告規制の違反が見つかった場合の取締り方法がどのようになっているのか、この点に関する情報を記載している、独占禁止当局が2013年10月31日付けで出している通知(Письмо Федеральной антимонопольной службы от 31 октября 2013 г. N АК/43077/13 “О рекламе посредством СМС-сообщений”)を今回はご紹介したいと思います。
この通知によると、「В силу специфики нарушения части 1 статьи 18 Федерального закона “О рекламе” антимонопольный орган не может самостоятельно получить информацию о поступлении абоненту CMC-сообщения и изображение такого сообщения, а также об отсутствии согласия абонента на его получение.」と規定されています。
つまり、ロシア連邦の広告規制に関する法律の第18条1項の違反の詳細について、独占禁止当局は、自身が主体となってSMSのメッセージに関する情報、メッセージそのもの画像、および受信に関して受け手の同意を欠いていることに関する情報を取得することは できないと規定されています。
そのため、違法なSMSを用いた広告を取り締まる独占禁止当局が、違法なSMSを発信した事業者を取り締まるためには、SMSを受け取った者からの情報提供が重要となってきます。
では、違法なSMSを受信した者はどのように情報提供をすればよいのでしょうか。
この通知によると、違法なSMSを受信した者は「ロス・スパム(РосСпам)」というサイトに情報を提供することが必要となります。
具体的には、このサイト内において、違法なSMSを受け取った者が自身に関する情報を書くとともに、違法なSMSのメッセージの画像を添付したうえ、このSMSメッセージの受信に関し、同意をしていない旨の情報を提供することになります。そのうえで、独占禁止当局が、SMSの送信を行った事業者が保有する受信者の個人情報にアクセスすることができるよう、SMSの受信者はこのような情報アクセスに関し、同意を与えることが必要となります。