ロシアにおける弁護士費用

 日本において、弁護士が委任契約を依頼者と締結する際、弁護士報酬をどの程度記載すべきかという点が議論となるように、ロシアにおいても弁護士報酬をどのように記載すべきかはよく問題となります。
 今回は、2019年12月2日に新たに施行されたロシアにおける弁護士報酬に関する規定を紹介したいと思います。

法律の規定が新設

 2019年12月2日にロシア連邦における弁護士業務および弁護士に関する法律(Федеральный закон “Об адвокатской деятельности и адвокатуре в Российской Федерации”)25条に4.1項が新たに新設されました。
 同項によると、ロシア連邦の弁護士会で定められた規則に従い作成される弁護士への委任契約書において、弁護士は「成功報酬」を弁護士報酬に上乗せする形で弁護士報酬を設定することが明文上可能になりました。もっとも、この条文には例外も規定されており、刑事事件および行政事件においては、成功報酬を弁護士報酬に上乗せする形で設定することは認められないこととなっています。

新法がもたらす変化

 この規定が新たに新設される前ももちろん、弁護士報酬に成功報酬を含める形で弁護士報酬が設定されることはありましたが、後日、依頼者との間でかかる報酬設定に関してもめることがよくありました。そこで、今回、新たに成功報酬に関する規定を設けることにより、依頼者・弁護士間の弁護士報酬に関する紛争が減少することが期待されています。

参考

http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_36945/0f784309083546cfc347d88375005558c627b805/