ロシアの裁判制度改革(2018年改正)

 ロシアでは、最近、2018年7月27日の裁判システム法改正により、裁判制度が大きく変化し、9つの破毀裁判所と5つの控訴裁判所が設置されました。そのうえで、2019年10月1日には破毀通常裁判所が活動を開始しました。
 これらの裁判制度の変化があったことにより、ロシアの裁判所実務はどのように変化したのでしょうか。今回は、ロシアの裁判を統計の観点から紹介したいと思います。

 まず、仲裁(商事)裁判所で処理されている案件数に着目をしたいと思います。
 2018年において、1,900,000件の事案が処理されていたのに対し、2019年においては、1,879,000件の事案が処理されました。つまり、仲裁(商事)裁判所で処理される案件数は少し減少したといえます。
 その中でも、外国企業がかかわる仲裁(商事)裁判の案件は5900件であり、そのうち、85%の外国企業が勝訴しているとの統計がでています。
 なお、企業間の訴訟に関しては、2018年に20,300件であったのに対し、2019年には20,800件と、少し上昇傾向にはありますが、あまり変化はない状況です。

 なかでも注目されているのが破産案件の件数です。
 実は、2018年から2019年にかけて破産案件がロシアにおいては大きく上昇しました。なんと案件数は40%も上昇しました!具体的には、2018年に59,600件であったのに対し、2019年には85,500件となりました。
 破産案件の中でも、大きな割合で上昇したのが、個人破産の案件です。1年で32,400件から50,000件にまで上昇しました。

(続きます)

参考

Верховный суд подвел итоги работы судов за 2019 год
Количество споров в судах продолжает расти, граждан все чаще признают банкротами и все ещё редко оправдывают по уголовным делам – таковы итоги работы российских...