ロシアの所得税

 日本において、所得税というものが存在するのと同様に、ロシアにおいても所得税の納税義務が存在します。もっとも、たとえば、日本からロシアに仕事へ行く際、ロシアで所得税を支払う義務というものは存在するのでしょうか。
 今回は、ロシアでの所得税の納税義務について紹介をしたいと思います。

所得税の対象

 個人に対する納税義務を規定するロシア租税法(Налогового кодекса РФ)209条によると、(1)ロシアで納税義務者となっている居住者に該当する者は、ロシア国内およびロシア国外での収入がロシアでの課税対象となるのに対し、(2)ロシアで納税義務者となっている居住者に該当しない者、すなわち非居住者は、ロシア国内での収入のみがロシアでの課税対象となることが規定されています。

 そのうえで、上述の209条に規定されている文言は以下のように別の条文で補足されています。
 まず、ロシアで納税義務者となっている居住者とは、ロシア連邦において12か月の間で183日間以上連続でロシアにいる個人であると規定されています(ロシア租税法207条2項)。
 また、ロシア国内での収入とはロシア国内での労働などの対価として受け取った収入を指し、ロシア国外の収入とはロシア国外での労働などの対価として受け取った収入を指すと規定されています(ロシア租税法208条3項6号)

所得税の税率

 では、具体的にいくらの所得税を支払えばよいのでしょうか。
 まず、ロシアで納税義務者となっている居住者は、ロシア租税法224条1項により、原則として、課税対象となっている収入のうち13%を納税しなければいけません。もちろん、224条の別の状況で例外が規定されているものに関しては、その例外で示されている具体的な税率に従います。
 また、ロシアで納税義務者となっている居住者に該当しない者、すなわち非居住者は、ロシア租税法224条3項により、原則として、課税対象となっている収入のうち30%を納税しなければいけません。もちろん、ロシアで納税義務者となっている居住者同様、224条の別の状況で例外が規定されているものに関しては、その例外で示されている具体的な税率に従います。

補足

 なお、ロシア租税法34.2条に基づき、ロシア連邦財務省には、税務当局、納税者などに対し、書面で補足説明を出すことが権限として与えられています。そして、かかる権限に基づき、今回紹介した所得税の納税義務の条文操作などをより丁寧に説明したロシア連邦財務省発付の書面(Министерство финансов Российской Федерации: Письмо № 03-04-05/11573 от 19.02.2020)も存在しておりますが、細かくなってしまうのでまたの機会に。

参考

Минфин РФ: Письмо № 03-04-05/11573 от 19.02.2020
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!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_19671/ea34776d79af4f4f0d38a7757aee0c9f2f92f17f/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_28165/1f29c479b0dd23dc5c365b37ac580557586e6af4/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_28165/c0d77f0e201172d5cd9978bf9dfa1ecd2ba4cf60/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_28165/20f4dff552412189a35ac61d5398dc83ee9d3be6/

!http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_28165/3e4bbd6dd9fb5dd4e9394f447653506e1d6fa3a9/