現在の状況
現在、ロシアでは、各地区や地方自治体レベルでは騒音を立てることを規制する法律は存在していますが、連邦レベルで騒音を規制する法律は存在しません。
例えば、モスクワにおいては23時から翌朝7時まで騒音を立てることは禁止されており、騒音を伴う工事となると19時から翌朝9時まで禁止されています。そのうえ、これらの時間帯に騒音を立てた場合には、個人であれば1千~2千ルーブル、法人であれば、4万~8万ルーブルの罰金が科せられる可能性があります。
もちろんこれはあくまでモスクワで適用される内容の規制であり、別の地区や地方自治体では別の基準で騒音を各々規制しています。
新たな法制定の動き
そこで、政府は統一的な騒音対策の一環として、2020年の春ごろを目処に「連邦レベル」で法律案を作成する作業が現在進行形で行われています。
その内容は以下のようになっています
- 23時~翌朝7時までは騒音を立てることを禁止
- 普段の生活音は規制対象とならない(例.赤ちゃんの泣き声、足音など)
- 月に2回以上、騒音を立てた場合には、最大15万ルーブル(日本円でおよそ20万円程度)の罰金が科せられる可能性あり(個人であれば、5千~5万ルーブル、法人であれば5万~15万ルーブルとなる予定)。
- 罰則の対象となるのは、あくまで「不動産の所有者」。
- 住宅と同じ建物にお店を構える事業者の違反の場合には、最大90日間の業務停止がなされる可能性あり。
法制定の目的
この法律を制定するに至った目的は、騒音を立てた人と騒音に悩まされている人との間の争いを未然に防止し、より住みやすい生活環境を作ることにあります。
ポイント
ポイントは、誰が騒音を立てているかにかかわらず、あくまで「不動産の所有者」が罰金を支払うことになるという点にあります。すなわち、建物の賃借人、工事を委託された業者、家に招いたお客さんや親戚などが騒音を立ててもあくまで、建物の所有者(建物の賃貸人)が罰金を支払うことになるようです。
騒音で処罰された例(ロシア)
ある男性は、近所の住民を悩ませる目的で2年間毎日、録音してある馬の泣き声と馬が走るひづめの音を最大音で流していたという事件がありました。この男性は、自治体の刑事法(Уголовный Кодекс)117条により罰せられました。
参考
Кодекс тишины: в РФ хотят ужесточить наказание для шумных соседей
Для нарушителей предлагается на федеральном уровне ввести штрафы до 150 тыс. рублей