悪質な虚偽情報の拡散による刑罰の加重(ロシア COVID-19対策)

 コロナウィルスとの影響で、国民の生命等に関連するデマ情報を規制する動きがロシアで拡大している中で、その規制の動きの1つとして、デマ情報を流した者に対して適用される犯罪が、新たに2020年4月1日付でロシア刑法(Уголовный кодекс РФ)に規定されたことを以前、紹介しました。その際、ロシア刑法207.1条を紹介しましたが、今回はこの207.1条の加重規定である207.2条を紹介したいと思います。

 ロシア刑法207.2条1項によると、重要な情報を故意に虚偽の内容であるにもかかわらず、信頼できる内容のように公に示すことで、人の健康に害が過失的にもたらされてしまった場合には以下のような法定刑で処罰対象となる可能性があります。
 ― 700,000から1,500,000ルーブル(約105万円~225万円)の罰金
 ― 被告人の18か月分の給与に相当する金額以下の罰金
 ― 1年以下の矯正労働(Исправительные работы)
 ― 3年以下の強制労働(принудительные работы)
 ― 3年以下の自由制限

 そのうえで、発信したデマ情報により人が死亡してしまった場合には、さらに法定刑が重くなります。具体的には、同条2項により、以下の法定刑が規定されています。
 ― 1,500,000から2,000,000ルーブル(約225万円~300万円)の罰金
 ― 被告人の18か月から3年分の給与に相当する金額の罰金
 ― 2年以下の矯正労働(Исправительные работы)
 ― 5年以下の強制労働(принудительные работы)
 ― 5年以下の自由制限

参考

http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_10699/7dcac8801f9fa5415250803c6d4bc4366bb91f1b/