ロシア・サンクトペテルブルクでコロナウィルス隔離から少女が脱走

コロナウィルスの感染は収まるどころではなく、ニュースをみると、毎回感染者の人数が拡大しており、いつ事態が収束するかはまだはっきりとしない印象を受けます。
そんな中、サンクトペテルブルクにある病院(Клинической инфекционной больницы имени Боткина)の男性医師が解雇された背景事情がこのコロナウィルスと関連している可能性があるので、今日はその件に関して書きたいと思います。

概要

サンクトペテルブルクにある病院で働いていた男性医師は、1994年から勤務していたにもかかわらず、突然、理由が公表されないまま解雇されました。
背景にある事情としては、この男性医師が働く病院では、コロナウィルスの感染の疑いのある者を選別するための14日間の隔離措置が採られており、かかる隔離措置の対象となっていた32歳の女性が逃亡する事件が起きました。女性は検査の結果が陰性であったことから、自分はコロナウィルスに感染していないと主張し、病院の許可なく、勝手に扉をこじ開け、逃亡したのです。この件に関し、病院側は裁判所に提訴し女性の身柄を強制的に病院に戻すよう請求したところ、かかる請求は認容され、女性は病院に戻されました。
また、その後、さらに3名が同じ病院から逃亡し、2名はすぐに確保されたため病院に戻されましたが、もう1名は、裁判所での手続を経たうえで32歳の女性同様、病院に戻されました。
男性医師の解雇の理由はこの事案と関係があるのかははっきりと公表されていませんが、可能性としてこれらの事案が何か関係していることも十分に考えられるのではないでしょうか。

裁判所の判断

裁判所の判断で着目すべき点は、裁判所が逃亡した者がコロナウィルスに感染している疑いがある以上、かかる者を隔離して社会の公的安全を図ることをあくまで重視しているという点です。つまり、社会の公的安全を図るという目的は身柄を強制的に病院に収容することで達成できることもあり、逃亡した者に対して、金銭的な制裁はなされていない点がポイントとなります。
もし日本で隔離措置等から逃亡した者が現れた場合、かかる者に対してどのような措置がとれるかは検討してみる余地はあるのではないでしょうか。

ロシアでの新型コロナウイルスに関する最新情報

さらに、最新情報をいくつか追加すると、コロナウィルス拡散防止の観点から、ロシアでは中国との極東の国境は完全に封鎖をし、モンゴルとの国境は一部閉鎖をしている状況です。また、ロシア政府は中国人に対する新たな就労ビザの発付を停止しており、中国人が一時的にロシアに就労、就学、観光、私的目的での入国することを政令で禁止する旨、2月19日付けで公布しました。
コロナウィルスに関し更に最新情報が出次第、また記事を掲載したりもしますので、興味のある方は是非、これからも私のサイトでの記事に注目をしていただければと思います。

参考

В Петербурге уволили главврача больницы, откуда сбежали пациенты
В Санкт-Петербурге уволили главного врача Клинической инфекционной больницы имени Боткина Алексея Яковлева. Об этом РИА Новости сообщили в пресс-службе... РИА Н...