ロシアの中国人入国禁止令に関する詳細情報(2020年2月22日)

先日、ロシア政府が中国人に対する新たな就労ビザの発付を停止しており、中国人が一時的にロシアに就労、就学、観光、私的目的での入国することを政令で禁止する旨、2月19日付け公布した旨、記事を書きました。

ダイヤモンド・プリンセス号でのロシア人の感染者が2名現れたことによる影響なのでしょうか。どうしてロシアが突然このような強行策に出たのかはまだ明らかとはされていません。
今回は、もう少し詳しくこの中国人入国禁止令を分析したロシアの専門家ら(Евгений Гонтмахер, Дмитрий Новиков等)の意見を紹介したいと思います。

専門家の意見

このような政令の制定によりコロナウィルスの感染を止めることはできるのでしょうか。また、他の国はどうしてロシアのような政令を制定しないのでしょうか。そのうえで、ロシア経済への影響はどのようなものなのでしょうか。疑問は山積みです。

他国の状況

現状として、ロシアが制定しているような中国人入国禁止令を定めている国は、他にはなく、現時点では、ロシアが唯一となっているようです。また、入国禁止という措置を一定の国民に対して行うこと自体、ロシアの歴史史上初の出来事となります。

禁止の対象

まず、このような政令の制定によりコロナウィルスの感染を止めることができるかという点に関してですが、この政令により禁止がされるのはあくまで中国人のロシアへの「入国」であり、トランジットであれば、中国人がロシアを経由することはまだ可能な状況となっています。そのため、このような政令にどれだけの効果が期待できるかという点については、専門家の中には疑問視をしている人もいるようです。

禁止の理由

また、どうして他の国が中国人の入国を禁止していない中、ロシアが大々的に政令により禁止をする方針を採用したのかという点については、様々な意見がロシア国内でも飛び交っています。具体的には、ロシアが他の国よりも多くの情報を持っているからではないかという意見から、ロシアの衛生管理をする専門機関の方針なのではないかという意見まで幅広い意見が飛び交っています。すなわち、現状として、どうしてロシアがこのような対応を中国に対して行っているのかは一般国民には明らかにされていないようです。

経済への影響

最後に、ロシア経済への影響についてですが、空の便に関しては、現在、アエロフロート航空のみ中国に運航している状況です。そのため、チケットのキャンセル等で航空業界は打撃を受けることが見込まれています。そのうえで、年間のロシアへの中国人観光客の平均は280万人、就労ビザでロシアで就労している中国人が平均して32万1000人いるとされています。そのため、観光業や産業の面でも、このままではロシアは打撃を受けるおそれがあり、2020年2月の予想数値として約14億円の損失が見込まれています。他にも、ロシアの極東においては、中国製品の流入が大幅に減少しており、この点でもロシア経済は影響を一定程度受けるものと予想されています。
何よりも、ロシアと中国との外交関係にどのような影響を与えるかからは目が離せない状況となっています。

参考

"У нас ничего своего нет, нас кормит Китай"
Что останется от экономики РФ, если убрать китайскую составляющую? Обсуждают Евгений Гонтмахер, Дмитрий Новиков, Николай Марковцев