ロシアにおける消費貸借契約書の記載事項

前の記事では、ロシアにおいて消費貸借契約を締結する時は、契約書を作成しなければ請求が極めて困難になるということをお伝えしました。

今回は、契約書に書くべき内容についてご紹介します。

必須の記載事項

 ロシアにおける消費貸借契約に際しては、一定の内容が記載されていなければならず、特定の内容を充足しない借用書を作成しても無意味になってしまいます。

 記載されていなければいけない内容は、
(1)貸主および借主両名の氏名(さらに、パスポートに記載されている事項)
(2)金額
(3)お金を借りたという事実
(4)弁済期日
(5)利息を付ける場合にはその旨
(6)遅延損害金の有無および計算方法
(7)借用書を作成した日付
(8)借主のサイン
です。

ポイント

 借用書に記載する内容のポイントとしては、以下のものが特に重要となります。

 まず、貸主および借主両名の氏名に加え、パスポートに記載されている事項も記載することが求められているという点です。具体的には、写真があるページに記載されている事項すべての記載が求められています。

 また、利息を付したい場合には、利息を付ける旨の記載をしないと利息を求めることができないということです。ロシアでは、100,000ルーブル以下は原則、利息が発生しないような法の立て付けとなっているため、100,000ルーブル以下で利息を発生させたい場合には当事者間の合意が重要となってきます。利息も視野に入れて貸付けを行う場合には注意が必要です。

 さらに、弁済期の記載も重要となってきます。弁済期の記載があれば、借主が返済を怠った場合には、弁済期の次の日から裁判所に請求をすることができますが、弁済期の記載がない場合には、催告をしてから30日を経過しないと裁判所に請求をすることができません。弁済期のない消費貸借に関しては、日本では催告をしてから「相当期間」の経過が必要とされていますが、ロシアではこの「相当期間」が30日と明文化されており、30日間は短期間とはいえないので、貸付けの際には弁済期を定めておくことが無難であるといえます。

借用書を作成し忘れた場合

 公証人により真正なものであることが証明された消費貸借契約書が必要な消費貸借とは異なり、10,000ルーブル以下の個人間の消費貸借であれば、借用書以外の証拠による証明がロシア民法162条により認められています。もっとも、この借用書以外の証拠による証明で認められている証拠はあくまで物証であり、証人などの人証は認められていないので気を付ける必要があります。

参考

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Чтобы потом вернуть их обратно