ロシアでお金を貸す際は絶対に契約書の作成を!

 人にお金を貸すとき、必ずしもお金の借主が返済をしてくれるわけではないので、後でもめたときを想定して、証拠を残しておくことは重要です。

 実は、ロシアにおいては、消費貸借契約に基づき貸金の返還請求をする際に、一定のルールがあるので、そのルールを知らずにお金を貸してしまうと、場合によっては、裁判を通じて返還請求をできない可能性が生じます。

 そこで、今回はロシアの消費貸借事情をロシア民法(Гражданский Кодекс)の規定に基づいて紹介をしたいと思います。

ロシアにおける消費貸借契約のポイント

 ロシアの消費貸借においてポイントとなるのは、消費貸借の“契約書”および“借用書”です。

 日本でも、契約書を作っておくことはもちろん重要ですが、契約書・借用書がなくても、他の証拠方法により消費貸借が存在したことを証明すれば貸金の返還請求が認められることがあります(改正民法下における諾成的消費貸借等は少し別の話です)。

 しかし、ロシアでは一定の内容の消費貸借は適切な消費貸借の契約書・借用書が存在しないと裁判で返還請求ができない場合があるので気を付ける必要があります。

大きな規模の消費貸借契約の場合

 ロシア民法161条によると、法人間の消費貸借および法人・個人間の消費貸借契約は契約書が必要なうえ、かかる契約書は公証人により真正なものであることが証明されていなければなりません。また、個人間であっても10,000ルーブル(約1.5万円)より多くの貸付けを行う場合も、公証人により真正なものであることが証明されている消費貸借契約書が必要になります。

 そして、公証人により真正なものであることが証明された消費貸借契約書が必要な消費貸借に該当してしまうと、このような契約書がなければ、裁判で貸したお金を回収することは不可能となります。裁判所は別の立証方法を一切認めていないので気を付ける必要があります。

大きな金額の消費貸借契約の場合 〜公証人が不要な場合〜

 また、民法162条によると、個人間の消費貸借であり、10,000ルーブル以下の貸付けであれば、公証人により真正なものであることの証明がなされた消費貸借契約書は不要ですが、借主の手書きによる借用書が重要となってきます。ポイントはあくまで、借主の手書きであることが必須となってくる点です! これは、後日になって借主が自分はお金を借りておらず、借用書は偽造されたものであるなどと言って言い逃れができないようにするためです。

(次の記事に続きます)